Makuakeが終わったところが本当のはじまり。Knot遠藤氏インタビュー

正規販売開始の前にMakuakeでクラウドファンディングを実施、目標金額100万円のところを500万円以上を集めた腕時計ブランドKnot Timepiece。 今回は腕時計業界の風雲児と呼ばれている Knot代表 遠藤弘満氏とMakuakeを運営しているサイバーエージェント・クラウドファンディングの代表取締役社長 中山亮太郎が対談。Makuake実施中の裏側やKnotのこれからを聞いた。 

腕時計というより”リストファッション”

中山:改めまして、Knotはどのような時計ですか?遠藤:一言で言うとメイドインジャパンの高品質な時計を1万円台から提供するブランドです。いまファストファッションの浸透で若い人の腕時計離れが起こっています。その中で、腕時計は男性ができる唯一の自己主張ファッションアイテムです。 もうみんなスマホを持つようになってきているし、腕時計というものが時間を確認する機能というのは失ってきています。僕はKnotは腕時計というよりかは”リストファッション”だと思っています。だから、ベルトが付け替えられる時計にしたんです。
中山:腕時計をそこまで愛するようになったのは?遠藤:商売として楽しいですよね。多分自分が女性だったらアクセサリーとかすごく好きだと思います。鞄や靴等と腕時計が違うポイントは、インフラが整っている、というところだと思います。腕時計には腕時計専門誌があるけど、スニーカーや鞄は専門誌がありません。 また、腕時計って小さいのに数万円の売り上げがあがります。時計は金属なので腐らないし、かびもはえません。 鞄なんかはトレンドの変化が早いけれども、Knotのデザインは100年前からある。スタンダードで人気がある 腕時計は商売としても魅力的 です。

メイドインジャパンの高品質な時計を1万円で提供。そのからくりとは

中山:Knotの時計はデザインや質がすごくいいのに、値段が1万円台からと、とても安いですよね。その秘訣は何なのですか?遠藤:一言で言うと「流通のカット」です。  大きな腕時計メーカーなら、オリジナルの時計をつくる依頼もできるんですが、大きい組織であればあるほど金額がかさましになります。僕も最初、時計の有名なメーカーさんに見積もってもらったんですが、いまよりも4倍くらいの売値になるんですよね。そのときに、「メイドインジャパンで1万円台の価格を実現できたらそうそうできない稀なものになる!」思ったんです。
Knotがつかっているサファイアガラスって腕時計のサイズで4千円するんです。1mm大きくなるだけで3千円とか増えてしまうので、高級ブランド時計じゃないとなかなか使えないんです。ラッキーなことに、これを直でやってくれる時計の工場と知り合って、この値段が実現できました。 

Makuake成功のその後。

中山:Makuakeでの成功によって、世の中にニーズがあるということが数値で明らかになりましたね。遠藤:元々あんなに反響があるとは思わなかったんです。腕時計のセレクトショップの方から売りたいという申し入れがあったんですが、もう在庫がない色もあって、お断りしたくらいです。有名なセレクトショップさんからもお声掛けいただいております。それ自体は大変ありがたいことなのですが、Knotはショップのバイヤーさんではなく、お客様時計ご自身がバイヤーとなり本体とベルトが自由にコーディネートして購入できるのが特徴なので、果たして、過去にない販売手法がセレクトショップさんで確りと演出できるか?それが悩みですね。 
中山:渋谷ヒカリエ1階でも期間限定でKnot販売されていましたよね。遠藤:はい。ヒカリエのPopUpショップではあえて、商品をガラスケースに入れずに、誰でも気軽に手に取れて、コーディネートや試着が自由に出来る、演出にしたんですが、ファッション雑貨において試着が気軽にできないのは腕時計くらいだなぁって思うんです。中山:たしかに、腕時計って宝石みたいな扱いですよね。遠藤:おっしゃるとおり。昔は時計は高いものしかありませんでした。それに対してリーズナブルな「ファッション時計」というのが出てきました。ただ、今の若い人って接客されるのをあまり好かなかったりしますよね。ファッション時計なのに売り方が高級時計と同じだから、ますます若い人が腕時計を買わなくなるんじゃないかと思うんです。僕が最終的にやりたいのは、メガネのJINSやZoffみたいな感じの時計屋さんをつくること。わいわいがやがやみんなが気軽に手に取って気に入ったら買う、みたいなお店をやりたいんです。中山:素敵ですね。

バイヤーの評価ではなく、エンドユーザーの生の声を聞く

中山:ところでクラウドファンディングをやろうと思ったきっかけは?遠藤:色々な人からクラウドファンディングの話は聞いていて、Kickstarterで時計のプロジェクトで億単位で集まっていたし、興味はあったんですね。 ただ、自分にとって資金調達はあまり大きな意味合いはなかったんです。今まで海外ブランドのディストリビューターをして日本の流通に卸売りを中心に行ってきましたが、従来のマーケットの最終決定者はバイヤーさん。でも、本当の最終決裁者はエンドユーザーであるべきですよね。エンドユーザーの声を聞く前に、流通が“売れる"とか“売れない”とか決定してしまうのは、良くないな!って常々思っていました。クラウドファンディングを通じて、エンドユーザーさんの声を直接聞きたかったんですよね。
また、腕時計ってオーダーしてからできあがるまで短くて100日くらいかかるんですよね。例えば8月にオーダーしたら出来上がるのは12月です。 だから売れないと思っていたものが売れても、追加発注してから届くのがすごくタイムラグがある。 だからクラウドファンディングで、発売する前にエンドユーザーの生の声が聞けるのは今までの物販流通になかった仕組みですごくいいと思います。こういった業種の人からするとすごく魅力的ですよね。

Makuakeが終わったところが本当のはじまり

中山:ものづくりやファッションアイテム、ファッション雑貨をつくる人たちに対してアドバイスがあれば是非。遠藤:私は今回はじめてクラウドファンディングをやってみましたが、Makuakeだったから成功したとか、成功しなかったとかということはないと思うんです。Makuakeという第一歩で成功するアイデアやクリエイティブ力がなければその後に事業を進めたとしても難しいと思うんです。私はMakuakeをはじめる半年くらい前からKnotの準備をすすめていたんですが、Makuakeのページをつくる過程の中で、改めてKnotのコンセプトや今後の売り方・訴求ポイントの整理ができたし、スタッフの意見も取り入れられました。実は一回ページつくってから、その後3〜4割は写真取り直しているんです。
Knotはクラウドファンディング終了直前にオンラインストアをオープンしたのですが、Makuakeが終わった3〜4ヶ月後が本戦だとすると、Makuakeは「プレ」としてここで結果を出すことで、あとがつくられてくると思うんです。クラウドファンディングはリスクなく誰でも簡単に個人から出資が募れる、という点はありますが、逆に失敗したら失敗という実績になるというリスクも同時にあるじゃないですか。どんどんチャレンジすべきだとは思うけど、するならするで、睡眠を削ってでもMakuakeで絶対成功するんだ!という覚悟を決めてやってもらうことが大事だと思いますね。中山:そうですよね。そこまで本気で取り組んだ人はほとんどが成功しています。例えばプロダクトをつくるプロジェクトだったら、まだ完成形のものがなくても本気だから、ワクワクしてくる。プレゼンの写真や文章もしっかり考えられています。
遠藤:僕はMakuakeが終わったところが本当のはじまりだと思っています。最初、100万円、200万円突破したところまではただ単純に嬉しかったんです。でも300万円突破したところから在庫なくなるとか、次回生産について考えなくちゃいけなくなって。秋からはじめる予定だったアメリカでのクラウドファンディングもいったんストップしたんです。なぜなら海外でのプラットフォームではねたときの流通とか生産体制など、そういったところが準備できていないからです。クラウドファンディングに成功しても、その時だけの打ち上げ花火で終わってしまう。その後につなげることができないので事業的にストーリーにならない可能性が高いと考えました。 中山:事業は金だけじゃないですもんね。海外で対応できる人材や流通をどうしようとか。遠藤:そう、そういうのの目処を立ててからクラウドファンディングをやる、っていうのが賢いんだと思う。中山:成功している人ってストーリーを用意していて、あくまでMakuakeはその中の序章、という風にとらえて、実施期間中の1ヶ月〜2ヶ月はきちんと向き合っているんですよね。だからその後の事業展開も見ていて面白いです。
遠藤:僕は前の会社を退職してMakuakeに問い合わせたのは5月。それまでほとんど時計業界からは姿を消していたんです。Makuakeを始めて100万超えたあたりで姿を現しました。とあるインテリア販売店のバイヤーにあったとき「さすがだね。巧みだね。今度はそういう入り方か」って言われたんです。Knotができたから、ではなくて、Makuakeで実績が出たから、というバイヤーと対等な立場になってから業界に現れた。下から入ると大変なんです。だからものづくりをやっている人は、そういうのを考えてMakuakeを活用すべきですね。中山:僕の願いは本当に名前のとおり"幕開け"なんですね。僕が抱いている夢。ここから世界を驚かせるような何かを生み出したい。5年後、Knotがフランスで大人気、とかアフリカの奥地の人が欲しがっている、みたいな世界中に利用者がいる状態になっていると本当に嬉しい。遠藤:そうですよね、そこで「KnotはMakuakeからはじまった」みたいになるとwin-winになりますもんね。中山:今日はありがとうございました。次回作もぜひ!お店を出すとか。 遠藤:直営店の費用を集めるプロジェクト、来年春とかやりたいですね。(文:森 恵 写真:安宅 亮)

Makuake

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